トップページ | 2008年7月 »

2008年6月

八幡平から裏岩手縦走(第5日)

第5日 08年6月13日(金)曇り一時雨 滝の上温泉から乳頭温泉
    5時間45分 9.7km

 本日は,今回のコースの中で,唯一,地図上で難路と表現されている道を歩く.不安ではあるが,なんとかなるさ,と歩き始める.この道を行かないなら,車道をえんえん歩かなければならないのだから,選択肢としては,乳頭越えしかない.しかし,歩き始めてみると,道ははっきりしているし,登りはきついが,他に道があるところでは,はっきりした標識がたっている.

 ほどなく,白沼.ここで,電話が可能なようで,メールを家族へ発信.ここまでは来たという証拠のつもりである.ここの直後から,森林限界を越えて,ガレ場の急登が始まる.どうやら,昨日の人が言っていた難所とはここだろう.馬の背状ではないが,ガレ場の急登は,恐さがある.これを越えると,小さな湿原があり,癒される.

 少し,緩やかな登りを歩いていると,雪渓.やはり,これから逃れることはできないのか..二つの雪渓を越えて,三つ目.これはでかい.しかも,急斜面で大きいためもあり,どこへ抜ければいいのかわからない.地図からは,トラバース気味に行くような気もするのだが,コンパスでは,むしろ直登を示唆している.よく見ると,真上よりちょっと左ぐらいに草が切れていて,道があるようにも見える.もうここだろうと信じて,雪の上のほとんど直登を始める.初めてアイゼンを欲しいと思う.しょうがないので,とにかく時間をかけて,登り切ると,判断は正しかった.道は続いている.このあたりからガスの中へ突入.晴れていたら,極上の草原散歩のはずの場所なのだが,残念.しかも雰囲気的にはかなり乳頭の頂上に近いはずだが,などと思いながら歩いていると,ピークを越す.さらに歩いていると,ちょっと晴れた隙間に,特徴ある乳頭の頂上が望める.まだ,あんなに遠いのか,とがっかりしながらも,歩き続け,頂上が望め,かつ,風の影になるところで小休止.

 頂上はガスの中で何も見えず,かつ,風も強いので,急いで証拠写真を撮ったらそれだけで,そのまま下山.ちょっと影になるところまできたところで雨がポツポツ.今回2回めのレインウェア着用.その後も降ったり止んだりの状態.このまままっすぐ降りると,乳頭温泉に着くのが早すぎる.どこかで昼食をとってゆっくりいこうというのが,もともとのプランなのだが,適切な場所がない.候補のひとつと考えていた水場のあたりでも場所がない.一本松温泉跡は場所としてはいいのだが,ここでも雨のため,入ることはもちろん,昼食も無理.なお,ここで外人の若い女性二人とすれ違う.荷物は小さいので,乳頭山のピストンか.結局大休止なしで,黒湯まで降りてしまった.

 人気の乳頭温泉,泊まれるかどうかわからないので,片っ端から当たっていこうとまず,黒湯でも泊まれるかどうか聞くと,あっさりOK.考えていたセリフ「自炊は飽きたので,旅館」に納得される.しかし,最初に接触したベテランの態度はフレンドリーなのだが,その後手続きを担当した若い男は無愛想かつ,訳がわからない.蕎麦などがメニューにかかげられているので,蕎麦がいいなと昼食を頼むとダメ,じゃ,外で自分で作るというと,それもダメという.部屋の中じゃなく,外で作ると言っているのに,それは自炊部じゃやないとダメと.はあ,なんで,と言うと,「じゃ,辞めますか」とのたまう.この野郎と思って,こっちもこんなところ出ようかと思うと(そうは言っても,もうこれ以上歩くのはやだと思っているのだが),それを感じたのか,「うどんでいいですか」.まったく.しかも「12:00の10分前には戻ってきてください」.もう切れる寸前なのだが,それよりも疲れの方が勝っていて,我慢我慢.まあ,とにかく急いで風呂に入って,待望のビール.うどんの昼食.漬け物つきでうまい.やっと気づいたが,稲庭うどんだった.秋田の名物なのね.それにしてもここの露天風呂は風情があって,いい.そのほかの内風呂も二つあったが,それぞれ入る.夕食は,こういう山の中なのでそれほどは期待してなかったのだが,やはり山菜の天ぷらは旨い.それよりもさらに,事前に注文を聞いてくれた秋田の銘酒の燗が旨い.給仕をしてくれた女性(もしかしたら女将?)の態度も好感.

 その後も秋田の冷酒を飲み(なんと,黒湯温泉ブランド),入浴を繰り返し,本を読む.『孤狼』読了.さらに,『日本をダメにした10の裁判』を半分ほど.

 なんとか,初めてのロングトレイル歩き通せた.何より,計画まったくそのとおりというのが驚き.別に計画どおりに行くべきとは思ってないし,そうしたいとも思ってないのだが,まあ,計画自体が無理のないものだったとも言えるか.とにかく後はただ帰るだけ.と思って寝ると,翌日大事件勃発.
 
 滝ノ上温泉(5:25)→(6:40)白沼(6:50)→(7:22)2.7km地点(7:27)→(7:57)白沼烏帽子中間点(8:02)→(8:45)山頂を見える場所(8:55)→(9:10)乳頭山頂上→(11:10)黒湯

| | コメント (0) | トラックバック (0)

八幡平から裏岩手縦走(第4日写真)

F1000225 大深山から岩手山

F1000230

これから歩いていく三ツ石方面

F1000233 大深を降りきって,沢へ.

ここから小畚を登る

F1000250

小畚からこれから歩く方向

F1000251

三ツ沼

F1000253

三ツ石山頂上の岩

F1000266

三ツ石からの下り.大きな雪渓

F1000268

三ツ石山荘が遠くに.

メルヘンの世界だ.

F1000270

三ツ石山荘

F1000279

三ツ石山荘前の湿原

F1000290

滝ノ上温泉キャンプ場

| | コメント (0) | トラックバック (0)

八幡平から裏岩手縦走(第4日)

第4日 08年6月12日(木)晴れ 大深山荘から滝の上温泉
    6時間00分 10.3km

 山荘のすぐ側から雪の上の急登が始まる.いやな雰囲気で歩き始めるのだが,そのちょっとあとからはほとんど雪なし.天気もよく,気持ちがいい.大深岳頂上を越えるころからは絶景.とくにこれから歩いていく方向の小畚,三ツ石のほうの眺めがゆるやかな草原の道を思わせて,うっとりさせる.私はこのような高原の草原が大好きなのだ.高原地図に,わかりにくいと書かれている分岐は,今は,標識も含め,はっきりしていてまったく問題なし.このあたり,森林の中で,暗い中,熊の心配などもしていたのだが,森林限界を越えているのか,明るい雰囲気で熊がでる可能性はないだろう.

 一番下まで降りきっても明るい中.そこまではよかったのだが,下は大きな雪渓.まっすぐ歩いていくと,対岸に道がない.一瞬あせるが,ちょっと探せば,すぐに道は見つかり問題なし.小畚の登りはきついことはきついが,短いのでそれほど疲れない.そして頂上.360度の絶景.素晴らしい.山座同定に時間を費やす.岩手山の右に見えるのは,早池峰で間違いない.秋田駒も素晴らしい姿.そして,北北東ぐらいにはるか遠くに見えるかっこいい山は地図からは当然外れているのではっきりはわからないのだが,記憶から鳥海山かと思う.帰ってから調べると,鳥海は方向違いだった.方向からすると,岩木山か.

 ここから三ツ石岳までは,大深岳あたりから見た通りの極楽散歩.いい..風もなく,太陽はさんさん,遠くの山がはっきり見えて,まさに天国.いつまでもこんなところを歩いていたい,と思っても,こういうところは,コースタイムより速いくらいで歩けてしまう.乳頭山のあの独特な形も,秋田駒に重なってわかりにくいものの,認識はできる.あと少し歩けば,秋田駒を外れる,などと思いながら歩く.

 三ツ石岳頂上すぐの突起のところで,行き止まってしまう.たんにぼけていて,すぐ右へ行く道を直進してしまっただけだった.しかし,ちょっと焦った.

 三ツ石岳をくだり始めるころに初めて見えた三ツ石山荘.これはまさにメルヘンの世界.見渡す限りの緑の中の窪地にポツンと見える山荘.すごくいい雰囲気.などと見ほれているうちに,またまた大きな雪渓.なぜ,こういう南向きの斜面でこんなに大きな雪渓が残っているのか.しかも急斜面でかなり危ない.相当の時間を費やして降りる.こういう大雪渓が途切れ途切れに三つ.ここまで稼いだ時間を一気に取り戻されてしまう.

 そして三ツ石山荘.着いて見てもやはりいい.沼の前,山を間近に見える場所がいい.そして,大きなデッキ.素晴らしい.このデッキで,マルダイラーメンの昼食.しかし,ここまで一人もすれ違わなかったのだが,この山荘についていきなりバラバラに4人.さらに,ここから降りて行く途中で20人くらいはすれ違う.どうやら,網張温泉から林道を通ってくると,ここまでかなり容易に登ってこれるらしい.こんなに人に会うのは,八幡平頂上付近以来,二日ぶり.

 デッキで寝転がったりして,大休止したあと,長い長い下り.網張への分岐までは頻繁に人と出会うのだが,そこからは地元の竹の子取りの一人のみとすれ違う.話すと,乳頭のほうも,いい竹の子が取れるところがあるんだよな,というので,私も明日,そちらへ行くつもりなんだという話をする.ついでに,道は大丈夫ですかねと聞くと,まあ大丈夫だけど,一カ所馬の背のようなところがあって,そこが崩壊してなければいいだけどね,とのこと.どういうことなのかよくわからないが..

 どんどん下るが,あの深い川底くらいまで下がるのかと思いきや,まさにそうで,対岸側が見えてからが長い.ほとんど川底に近いところまで下らされる.そしてやっと滝ノ上温泉.ここで旅館が見つからず,通りがかりの車に聞くと,旅館はやってないんじゃないか.たしか,6・20からだぞ,でも,頼み込めばなんとかなるかもしれんな,と.ショック.で,旅館が結局この温泉には三軒あったのだが,これらを歩き回ったのだが,全部鍵がかかっていて,人は一人もいない.ただひとつ,外に水の蛇口があって,ひねってみると水がでる.どうやら,沢から引いている水らしい.これを使って,キャンプするしかない.もともと,ここではテントのつもりだったので,それはいいのだが,風呂に入るつもりでここまで来たのにガッカリである.で,それもそれほど大きな問題ではないのだが,最大の問題はアルコールが何もないこと.自動販売機はいくつか置いてあるのだが,どれも動かない.動いてもビールは入ってない.ああ..本日は,今年初めての望まないノーアルコールデイとなってしまった.明日は,もう,今日の分以上に飲むぞ,と決意して,涙.

 やはり途中で採ってきたネマガリタケに,キャベツ,焼きウィンナという昨日とまったく同じメニューに,ご飯と味噌と鮭ダンゴのスープで食事.さらに味噌汁に,普段は飲まない夜のコーヒーで誤魔化す.
 
 『孤狼』250ページ.

 三ツ石山荘      水○,トイレ○,場所○
 滝ノ上温泉キャンプ場 水×,トイレ×,場所×

 大深山荘(5:25)→(5:55)大深岳(6:05)→(6:40)雪渓直後(6:45)→(7:10)小畚(7:20)→(7:50)三ツ沼(8:00)→(8:30)三ツ石岳(8:40)→(9:15)三ツ石山荘(10:30)→(12:40)滝ノ上温泉

| | コメント (0) | トラックバック (0)

八幡平から裏岩手縦走(第3日写真)

F1000173 畚岳ほか,これから縦走していく先

F1000186 諸桧岳近辺.道がわからなくなりそう.

F1000193_2

石沼

F1000211

大深湿原.水場F1000220

大深山荘F1000223

シラネアオイ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

八幡平から裏岩手縦走(第3日)

第3日 6月11日(水)曇り 八幡平陵雲荘から大深山荘
    4時間50分 9.0km

 朝,起きて,さて昨日チェックしておいた場所で,顔を洗って,水を補給しようと行くと,音がしない.全然水が流れていない.愕然とする.昨日昼間水がかなり流れていたのは,太陽の力による雪解け水だったのだ.朝はまったく融けだしてないので,流れていないのだ.まいった.とにかく,やっと流れている川で,顔だけなんとか洗って,朝食.いつもの昨夜の残りのご飯をスープに入れて食べ,コーヒー.水は,駐車場にかけるしかない.

 出発する.このあたりの八幡沼,ガマ沼あたりの残雪の風景は素晴らしい.見返し峠からの岩手山や,これから行く畚岳方面の眺めも素晴らしい.すぐに,駐車場に着くのだが,当然のことながら,この時間人はまったく見当たらない.それは折り込み済みだが,トイレも閉まっている.水道はまったく見当たらないとは思っても見なかった.水の補給は結局なし.これは大深山荘まで,昨夜の残りの水で行くしかない.

 畚岳に登り始めるあたりから曇り始める.寄り道はしないと決めていたのだが,まあ,このくらいは空身で登れるし,と思って登ったのだが,頂上に着くころにはまったく周りはガスってしまい,八幡平すら見えない始末.まったく..

 で,ここまで快調だったのだが,畚岳分岐からいきなり雪渓横断.そして,諸桧岳登り下りは,雪渓の連続であった.大きな雪渓になるととにかく方向が不安.足跡と思えるものはついてない.とにかく勘でこちらの方向と信じて歩いていくしかない.ところどころで赤のリボンに出会うとまったくホッとする.これだけが頼りである.この連続する雪渓の登りでまたまた時間を大幅に使う.石沼まで降りて,やっと一安心.ここからは雪渓はそれほどない.それにしてもここの雪は,それなりに固いものの,足で踏めないほどではなく,ちょうどよい固さ.逆にアイゼンをもっていてもなんの役にもたたなかったろう.

 嶮阻森のあたりでついに雨.ちょっと影になったところで,レインウェアを着る.今回のために20年以上ぶりに新調したレインウェアであるが,使わないですんでしまうのではないかと心配し始めていた.残念ながら,使うことになった.もっともそれほど強い降りではなく,念のため程度ではある.なお,このあたりで,紫の大きな花が目立つ.これは後にシラネアオイと言う名前と判明.そういえば,昔も聞いたことがあった.また,このあたりから,道の真ん中にネマガリタケが目立ち始める.国立公園の真ん中で採っていいのか,とも思えるのだが,採らなければ結局あとで,伐採しなければ歩けなくなる,また,地元の人も取っているしな,ということで高山植物でなければ問題なしと結論し,5本ばかり歩きながら採る.
 諸桧の登り下りで苦労したことを除けばあとは,天気にもめげず,快調に大深山荘に到着.噂にたがわず,美しい.もっとも窪地にあって,風景は望めず,ロケーションはそれほどいいとは思えない.時間的にまだかなり早いのでここからどうするか迷うのだが,とりあえず,水場まで行って水を汲み,昼食のチャルメラトンコツを食べる.ここの水場のあたりは,大深湿原と言うらしい.なかなか雰囲気のある場所である.水も勢いよくでていて,うまい.

 食事が終わったころ,県の見回りの方が二人やってきて,壊れた看板の撤去などを始める.聞くと,駐車場から2時間で来たという.速い.さすがプロか.また,今日は天気が悪く,明日は良くなるはず,というので,もう,ここに泊まることを決める.さらに本日の岩手日報を置いていってもらう.ありがたいのだが,下界では,とくに変わったことにはなっていないようだ.面白くない..この二人は,仕事をしてから,ここで昼食を取り,12:00に松川温泉へ下って行った.14:00に迎えを頼んでいるという.なお,このあたり,熊の活動が活発なので注意してくれと最後に言われる.そう言われても,どうやって注意するんだよ..今回,鈴を用意してくるのを忘れてしまっていた.怖くなってきたのだが,どうしようもない.歌でも歌いながら歩くしかない..

 もってきた文庫の堂場瞬一『孤狼』を読み始める.100ページ.

 夕方からは,まずはネマガリタケを焼いてウィスキー.焼き方が足りないと今ひとつだが,十分に焼くと,うまい.そして,肉が切れた今日からはウィンナを焼く.でまた,ご飯を炊いて,本日はユッケジャンスープ.うまいのだが,時間がありすぎ.結局,340mlのウィスキーは本日で終わり.

 ダメモトで試してみると,ここではワンセグが入る.NHKなど岩手県のすべての放送が受信でき,天気予報を確認できた.どうやら,県の人の言うとおり,明日は晴れらしい.期待.ここは最初曇っていてわからなかったのだが,東方向はけっこう開けているようだ.夕方晴れてくると,茶臼など,かなり山が見えたので,わかった.

 大深山荘 水○,トイレ○,場所△

 陵雲荘(5:30)→(5:55)駐車場(6:00)→(6:37)畚岳頂上(6:40)→(7:45)諸桧岳頂上(7:55)→(8:30)石沼(8:35)→(9:30)嶮阻森→(10:20)大深山荘

| | コメント (1) | トラックバック (0)

八幡平から裏岩手縦走(第2日写真)

F1000124 遠く乳頭山がはっきり.

F1000136 後生掛温泉

F1000139 大深温泉

田代沼

F1000143

F1000147

八幡平頂上付近

F1000151

八幡沼

F1000163

八幡沼近辺

| | コメント (0) | トラックバック (0)

八幡平から裏岩手縦走(第2日)

第2日 6月10日(火)晴れ 焼山避難小屋から八幡平陵雲荘
    5時間55分 10.6km

 気持ちのいい朝.ちょっと離れたところからの焼山山荘の写真は今回のベストショットの一つ.素晴らしい絵だ.毛せん峠は眺めがいいところで有名らしいが,たしかにいい.秋田駒が確認できた.ここから上へ行く道があるが何があるのかわからず,パス.そして,下り始めるのだが,すぐに残雪地帯.けっこう厚く残っていて,慎重に下る.東向きのはずだが,なぜ,こういうところにこれだけの雪が残っているのかわからない.国見台あたりからは乳頭山がはっきり確認できる.小さな突起だが,やはりすぐにわかる.そこからのスカイラインが明後日縦走するラインかと思うと,遠いなあ,という感じ.それ以外の山名はわからない.これから確認したい.

 もうそろそろかと思うと,中間点の標識.がっかり.毛せん峠から1時間というコースタイムからすると,なんと倍である.残雪に慎重になりすぎたのか.それにしてもである..その後は,30分で,後生掛に着く.だいぶ取り戻せた.ここでは,旅館の中を道が通っている,不思議な場所.またその途中で,毛せん峠の水というのが流れているのでありがたくいただいた.しかし,毛せん峠付近にまったく水はなかったのだが,いったいどこから引いているのか.

 大深温泉にでる道の案内がまったくでておらず,売店で道を聞く.研究路を途中までいくとのこと.大深温泉への道に入ると,たいした荷物を持たないおばさんの三人組.竹の子取りだという.へえ,このあたりではいまごろなのかと思ったのだが,あとでわかったが,ここで言う竹の子とは,ネマガリタケなのだ.今が旬らしい.

 大深温泉で大休止.温泉に入る.¥450.バスを降りてから,最後の乳頭温泉へ着くまでの5日間における唯一の出費である.硫黄の匂いはするものの透明ないいお湯である.熱かったら,水で薄めてくれと言われたが,水がかなりの勢いで最初から流れているので,それ以上調節のしようもない.もともとかなり厚い湯のようである.ここでチキンラーメンの昼食を取るとともに,シャツなどの洗濯をして,下着を着替える.水をどうするか迷ったが,八幡平の水場に自信がなく,念のため,3.25lフルにして,持つ.重い.しかしこれは結果的に成功だった.これがなかったら,翌日どうなっていたか.

 ここまで雪がかなり深かったものだから,温泉のご主人に,ここから先,八幡平のほうはどうですか?と聞くと,えっ,とても雪で行けないよ,と.ショック.最悪,バス道で行くしかないですねと確認.しかし,途中でバス道と登山道が交叉するところがあったはずと思って,とりあえず,そこまでは登山道で大丈夫なはずなので,そこまでは行きますと言って,スパッツを着けて出発.ところが行けども行けども雪はない.まあ,高度からすれば当然なのだが,しかし,時間的にそろそろ中間をすぎるはず,と思うのだが,バス道と交叉しない.どうしようもなくなって,途中で休む.休んでから25分も歩いてやっと田代沼.ここの水芭蕉は可愛い.尾瀬などのお化け水芭蕉は恐いくらいの感じだが,このくらいのものであれば,水芭蕉もいいものという感じがする.

 ここで地図を確認して私の間違いに気がつく.バス道とはかなり近づくのだが,交叉まではしないのだった.歩けば行けそうな気もするのだが..事実,休んでいる最中にバスが通っていくのが見える.なんと..いまごろ分かっても遅く,もうこの山道を続けていくしかない.そして,ここから先はもうほとんど残雪の上か,小川状態の上.最悪な場所は,池状態.残雪の上の場合,道をそれてしまうのが一番恐いというのを初めて認識.ズボっとなって少し濡れるくらいは,スパッツもあるので,たいしたことはない.とにかく苦心惨憺して歩いていると突然前方から「ごくろうさん」声を掛けられる.そこが八幡平頂上への曲がり場所だった.さすが,八幡平頂上は観光地.いままで一人もすれ違っていないので,ここには何十人といる.「どのくらいかかりましたか?」と聞かれ時計を見て愕然.またまたコースタイムの倍近くかかっている.情けない..

 頂上展望台からは岩手山だけが確認可能だった.晴れているのだが,この時間になると,それほどは見えないのだろう.ここから陵雲荘までどうやっていくのかよくわからず,しかも雪で完全に道が覆われているのだが,なんとくこっちかと思って歩いていくと,素晴らしい眺めの場所へ.沼がこんなに大きいとは.そして,この雪と青空と,針葉樹の風景.なんとなく北欧を思わせる.陵雲荘は新しく,大きな素晴らしい施設.水場がないのが玉に傷なのだが,そこら中に雪解け水が流れているので,足りなくなったら,これを使うかと考える.(実はこれが間違いだった).

 時間はまだ早いので,陵雲荘の少し上の沼を眺める場所で,ウィスキー水割りを何杯か.つまみはチョコレートのみ.それにしても素晴らしい場所だ.私の生涯訪れた場所の中でももベストのひとつではないか.

 その後,陵雲荘のベランダでみそ漬けの牛を焼いて,さらに飲む.このみそ漬けの牛は初めて持参する.2日目くらいなら,これで問題ないようだ.陵雲荘にはやはり人がトイレを使いにやってくる.あら,いい匂いがしたら,..なんて言われてしまう.キャベツにキュウリは前日と同じ.さらに,ご飯を炊いて,タンタンスープ.それにしてもこのペースで行くと,ウィスキーは,あと1日分しか持ちそうにない.まあ,4日目は,温泉だから,そこでビールや酒ぐらい帰るだろうと甘い(希望的)判断をして,セイブせず.(これもまた実は失敗..)

 人で賑わっていたが,さすがに,16:00を過ぎると誰もいなくなる.ここでもまた,一人で避難小屋占有.

 行きの列車の中で半分読んでいた中村俊輔『察知力』読了.

     本の紹介は,      http://homepage2.nifty.com/megoo/

 夜,12:00頃目覚める.外を見ると,満天の星.まさに満天だ.外へ出てみると,いきなり正面に蠍座.初めて蠍座を見たのだが,見た瞬間わかるほど,はっきりしている.すごい. 

   陵雲荘 水×,トイレ○,場所◎

 焼山避難小屋(5:35)→(6:00)毛せん峠(6:05)→(6:25)国見台(6:35)→(7:00)中間点→(7:35)後生掛温(7:40)→(8:20)大深温泉(9:50)→(10:50)田代沼手前(11:00)→(11:25)田代沼(11:35)→(12:35)頂上(12:40)→(13:00)陵雲荘

| | コメント (0) | トラックバック (1)

八幡平から裏岩手縦走(第1日写真)

F1000082 登山口の玉川温泉.荒涼とした雰囲気と,湯治客のアンバランスな独特な雰囲気

F1000085 美しいブナの新緑

F1000088 最後の水場.ベンチがある.

F1000090

新緑の中の道

F1000095

名残峠付近.砂漠の山の雰囲気.

F1000098 F1000100

イワカガミとその群落.

F1000109

焼山避難小屋内部

F1000116

焼山避難小屋.お気に入りの写真.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

八幡平から裏岩手縦走(第1日)

第1日 6月9日(月)晴れ 玉川温泉から焼山避難小屋
    2時間35分 3.5km

 朝,7:00に家をでて,東京発こまち5号で,11:34田沢湖着.一気に乗り換えなしというのはまったく,便利.もっともバス便との接続はそれほどよくなく,これより前の列車で行っても,やっと30分前のバスに乗れる程度.2時間近くバス便があいているのだ.ここは考えてほしいもの.このため,初日は,焼山へいくのが精一杯.とても,シェルパのように,大深温泉まで行けるとは思えない.

 平日だからだろうか,田沢湖から玉川温泉へ向かうバス11:50発にはわずか5人程度.途中から乗ってくる人もなく,最後まで行ったのは,3人だけか.玉川温泉は湯治場にしては活気がある独特の雰囲気.時間が13:00を回っていることもあり,入浴はあきらめて,とにかく水場を探すがわからない.水をもらえないかと聞くと,喫茶部に言ってくれということで,お願いすると,どうぞどうぞということで,冷たい水をもらう.歩き始めると,岩盤浴のメッカらしく,岩場に人々が寝転がっている.ござを使うらしい.テント場を見て,覗いてみると,空いているよ,と声を掛けられるが,敷くものを自分で用意する必要があるようで,遠慮した.そのあたりに座ってみたが,熱くてとても,じっとしていられるような感じではない.さっさとスタートする.初めは,ずっと階段できつい登り.その後ゆるやかになる.

 地図(山と高原地図)によれば,水場は2か所あるはずだが,1か所めのところに,ここより先に水場はないと書かれている.すると,ちょうど降りてきた人が.道を見回ってきたという.水場はここから先にはないかと聞くとないという.また,焼山には登れるのかどうか聞くと,やはり道はないし,何もないよ,という.登るのはやめよう.

 荒涼とした雰囲気の崖を登り終えるとそこが名残峠.ここから方向が今一つわからない.しかし,道は一方向しかでていないし,コンパスでたしかめると,こちらであろうということで進んでいく.しかし,ここから降りていくとは地図からはなかなか読み取れない.このあたりに,イワカガミの群落.驚く.焼山の避難小屋はすぐこの近くにあるものと思い込んでいたのでかなり不安になるが,なおもずっと降りたり登ったりして歩いていくとやっと小屋にたどり着く.多少古ぼけた感じもするが,中はまずまず綺麗で,なによりもなかなかいい場所にある.

 4時を過ぎているので,さっそく,牛の焼き肉でウィスキーを飲み始める.キャベツをもってきたのは正解.塩・コショウだけの味付けでもなかなかいける.キャベツは今回初めて山にもってきた.1/4個持ってきたのだが,大きさもちょうどよかったようだ.おそらく4日でピタリだろう.いつものキュウリもなかなか.そして,ご飯を炊いて,カレー.カレーはいつものごとく,外に出て,焼山を見ながら食べる.結局,今日はこの小屋を独り占め.

 ウィスキーは,白州を340ml詰めてもってきたのだが,今日のペースから見ると足りないかみしれない.まずい..いつもの180の愛用フラスコでは足りないと思い,新しく,プラスチックの340のフラスコを買ってもってきたのだが,それでも足りないか..

 ワンセグは入らず,天気予報確認できず.

 本日は,本を読む時間もなく,19:00過ぎには寝てしまう.

 焼山避難小屋 水×,トイレ○,場所○

 家(7:00)→日吉(7:10)→(8:05)大手町→東京(8:28)こまち7号(上野,大宮,仙台,盛岡,雫石)→(11:36)田沢湖(11:50)→(13:18)玉川温泉(13:30)→(14:05)水場(14:15)→(15:40)名残峠(15:45)→(16:05)焼山避難小屋

| | コメント (0) | トラックバック (0)

八幡平から裏岩手縦走

先週,5泊6日の山旅にでかけました.こんなことは初めて.八幡平から裏岩手を縦走しました.

勤続30周年で,5日間のリフレッシュ休暇を取れるのですが,それを利用したのです.実はこれを書きたかったから,このブログを始めたようなもの.

シェルパ斎藤の『ニッポンの山をバックパッキング』という本を見つけて,ここで紹介されるコースがなかなかいいなと思い,実際に歩きたいなと思っていました.なかでも素敵だと思うのがこのコース.

リフレッシュ休暇は,この6・20までに取らなければ消滅してしまう.ここまでずっと取れず,この時期しかない.そして,この時期,南のほうは梅雨が始まっていて,とても行きたい感じはしないし,北海道はまだ雪が深く(冬山と同じという説も),とても私には無理.だからここにした,ということでもある.

これから一日分ずつ,書いていきます.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

はじめまして

好きなことがいっぱいあります.

なんと言っても旅,それもただの旅ではなく,山を渡り歩く.頂上はとくに求めず,長くひたすら歩く.最後に温泉に入れればもう幸せ.そして,その合間に本を読む.

そんな旅がいつもできるわけはなく,いつもは仕事に追われているだけなのですが,たまには,そんな旅にでることも.ときどき,そんな旅について,書いていきます.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

トップページ | 2008年7月 »